辰野邦次写真館

蝦夷鹿

えぞしか

エゾシカは明治期の豪雪と乱獲で一度絶滅寸前となる
まで激減したが、その後の保護政策や生息地の改変
などによって、1970年代半ばには北海道東部で、1980
年代には日本海側にも分布が拡大した。さらに1990年
代に入ると、暖冬による積雪の減少とエゾシカの個体数
増加に伴って、西部地域にも急速に分布域が拡大して
いった。
 
エゾシカは、年率16%から20%、3年から5年で個体数が
倍増する高い増加率をもっており、分布域の拡大と並行
し、爆発的な増加が1990年代に北海道東部で、2000年
以降には北海道西部地域で生じた。増えすぎたエゾシカ
は、深刻な農林業被害のみならず、天然林の樹皮剥ぎ
、列車事故、交通事故等の増加をもたらした。また、最
近では知床国立公園などの保護区において、自然植生
に悪影響を与えるようになった。